旅するパローKaeiの絵と絵本

あとがき

私たちはいつも心のどこかで  
愛をもとめています。

誰かを愛し 誰かから愛されることは、
とても素晴らしい経験です。

しかし同時に、
不安や失う恐怖、疑いといった感情と
隣り合わせでもあります。

愛するがゆえに
見えなくなるものがあり

愛ゆえに幸せとは
真逆の方へ進んでしまうことがある。

ある人はそれを 愛 と呼んだけど
実は 孤独感から目を逸らす
手段の一つなのかもしれません

またある人のそれは、愛 という名の
執着の鎖なのかもしれません

「愛」という言葉は
あまりに広く、大きすぎるのです。

心の渇きは  
何によって癒やされるのか?

自分も相手も、
周りの人も幸せにしていくような愛とは
どんなものだろうか?

わたしの木』は、
そんな問いから生まれた物語です。

ここで描かれている愛は、

人々を一瞬で幸せに導くような
打ち上げ花火のような 

鮮烈なものではないかもしれません。

“わたしの木”が示す愛は、
奪い奪われることもなく、

誰かと競うこともない、
ささやかだけれど、

人の心をじんわりと
あたためてくれる素朴な愛です。

私たちは  
地球がもたらす恵みの中で 
生かされています。

自然界から差しのべられた 
沢山の優しい手の中で 
生かされています。

トーヤトーヤ村の人々は、
そんな慈しみに溢れた愛に
共鳴する人々なのです。

互いを尊重し響き合う  
この小さな村に満ちる幸福を
もし感じていただけましたら、

こんなに嬉しいことはありません。


最後までお読みくださった皆様に感謝を込めて、
kaeiとパロからの質問です。

「あなたにとって愛とはなんですか?」

藤谷  佳永